燻製の温度管理の方法(熱燻篇)

燻製の温度管理
燻製の温度管理

今回の燻製入門、Q&Aは、燻製の温度管理の方法。

まずは、初心者にも簡単な、熱燻の温度管理から。

燻製(熱燻)の温度管理とは?


熱燻における、燻製の温度管理とは、イコール、スモークチップを発煙し続けさせること、です。

スモークチップは、直接火をつけるのではなく、燻製器(スモーカー)の内部温度を高温にすることによって、発煙をします。

なので、スモーカーの内部温度が下がると、スモークチップの発煙も止まってしまいます。

すなわち、熱燻における温度管理は、「スモークチップが発煙する温度以上の温度を保つ」ことにつきます。

では、代表的な燻製である、スモークチーズを例に、温度管理の方法を解説していきましょう。

 

スモークチップを発煙させる


最初に、スモーカーに食材(今回の場合はチーズ)を入れずに、カセットコンロの強火でスモーカーの温度を上げていきます。

食材を入れる前に、スモーカーの温度を、スモークチップが発煙するまで上げる
食材を入れる前に、スモーカーの温度を、スモークチップが発煙するまで上げる

かまぼこのように、高温にしても問題のない食材の場合、最初からスモーカーに食材を入れてもかまわないのですが、チーズなど溶けやすい、あるいは、熱を加えすぎるとパサパサになりやすい食材などは、高温のスモーカーに入れる時間をできるだけ少なくしたいので、まず発煙するまで食材を入れずにスモーカーの温度を上げていくのです。

 

スモークチップの発煙温度


熱燻の場合、スモーカーの温度が80℃くらいになると、スモークチップの発煙がはじまります。

(写真では、ピントを合わせ損なっているうちに、一気に90℃超えました。。。)

80℃を超えたあたりから、スモークチップの発煙がはじまる
80℃を超えたあたりから、スモークチップの発煙がはじまる

食材をスモーカーに入れる


十分にスモーカーから煙が出てきたら、チーズをスモーカーに入れます。

スモーカーから十分に煙がでてきてから、チーズをスモーカーに入れる
スモーカーから十分に煙がでてきてから、チーズをスモーカーに入れる

スモーカーにチーズを入れて蓋をしたら、カセットコンロの火を中弱火に落とします。

これは先に書いたように、チーズが溶けやすい食材なので、できるだけスモーカーの中の温度を上げすぎないようにするためです。

ただし、火が弱すぎたり、屋外で風に煽られると十分な熱がスモーカーに伝わらず、温度が一気に下がってしまい、スモークチップから煙が出なくなることがあります。

 

スモークチップの温度管理


では、どこまで下げると、スモークチップは発煙しなくなるのでしょうか?

この実験の場合、80℃を下回ると、煙が出てこなくなるようになりました。

80℃を下回ると、スモークチップから煙が出なくなる
80℃を下回ると、スモークチップから煙が出なくなる

なので、できるだけ火加減は弱くしつつ、煙が出なくなってきたら少しづつ温度を上げて、再び煙が出るようにしましょう。

 

温度管理がうまくいった燻製


このように、できるだけ火加減を弱くしながらも、煙が出ている状態をキープすれば、10分で、美しいスモークチーズが出来上がります。

温度管理がうまくできたスモークチーズ
温度管理がうまくできたスモークチーズ

 

燻製の温度管理 まとめ


熱燻における、燻製の温度管理のポイントは3つです。

  •  最初は食材を入れずに一気に80℃を超える温度までスモーカーを強火にかける
  •  食材をいれたら中弱火にして、80℃以上をキープし、スモークチップから煙が出続けるようにする
  •  煙が途中で出てこなくなったら、火を強くして煙が再び出るまで温度を上げる

ただし、加熱しないといけない生肉などは、中火などで、温度を上げて、食材に火が通るまで燻す、もしくは、燻製をした後に、フライパンやレンジなどで、中まで火を通すことが大切なのは言うまでもありません。

 

熱燻の温度管理、最初はよくわからないこともあるかと思いますが、このポイントを理解して何度かトライしているうちに、簡単にできるようになります。

ちなみに、底がオープンになっている燻製器(スモーカー)は、アウトドアなどでは下から風などが入り込んで、温度を下げてしまうこともあるので、高温のキープが難しいものもあります。

最初のうちは、中華鍋や、この記事の例に使っているテーブルトップスモーカーなどの、密閉性の高い燻製器のほうが扱いやすいかもしれません。

 

<この記事で使用している燻製器(スモーカー)>
TABLETOP SMOKER(テーブルトップスモーカー)

 


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日夜おいしい燻製のことに想いを馳せ、「燻製仙人」になるべく、簡単燻製作りの道を求道する士、すなわち「燻製道士」。 時折、おいしい燻製作りの“修行”と称し、燻製料理のあるバーやレストランに突入する。燻製とウイスキーやワインのマリアージュをこよなく愛する、しがない燻製男。 著書に、「男の手作り燻製」(世界文化社)、「手作り燻製ハンドブック」(世界文化社)、「燻製の基本」(枻出版)などがある。