燻製の基本(燻製の基本工程と3つの燻製法)をわかりやすく解説

燻製の基本
燻製の基本

燻製はなんだか難しそう・・・なんて思われているようですが、この燻製の基本原理を理解すれば、10分で簡単に燻製をすることも可能です。
燻製の基本工程と、3つの燻煙方法を解説します。

 

燻製の基本工程


燻製の作り方は、実は3つのステップだけです。

燻製の基本工程
燻製の基本工程

味付け

燻製をする食材に、塩やソミュール液という塩水をつかって、味付けをします。
もともとは燻製は保存食の意味合いが強かったので、塩で殺菌をしていたわけです。自家製のベーコンなどを作る場合には、肉に塩をして1週間冷蔵庫で塩漬けにします。
この味付け(塩漬け)の工程がなければ、グッとハードルが下がりますよね?
例えば、プロセスチーズなどをスモークチーズにするなら、すでにチーズには味がついているので、この工程を省略できます。

乾燥

味付けをした食材の表面の水分を乾燥させる工程です。
なぜ乾燥させるのかというと、表面に水分があると、燻製の煙と水分は反応して、酸っぱい味の燻製ができてしまうからです。
初心者の燻製の失敗の原因はほとんど、この乾燥が不十分なために起こります。
「風乾」と言って、食材を風にさらして、30分~1時間くらい表面を乾かします。
なので、野菜などの水分の多い食材は、燻製には不向きです。逆に、ミックスナッツなどは、味付けがされていて、すでに表面が乾燥しているので、この2番目の工程も省略でき、とても燻製のハードルが低い食材と言えます。

燻煙

スモークチップやスモークウッドなどの燻煙材をつかって、食材に煙をかける工程です。
やり方にもよりますが、10分くらいの短い時間で煙をかける方法もあれば、数時間も煙をかけ続ける燻煙方法もあります。
その3つの方法について、次に解説します。

3つの燻製法


燻製には、燻煙(スモークチップやウッドで煙をかけること)をどれくらいの温度でかけるかによって、3つの方法があります。

3つの燻製法
3つの燻製法

熱燻

80~100℃くらいの高温で煙をかける方法です。
高温でスモークっチップを発煙させ、一気に強い煙をかけるので、短時間で燻製ができあがります。
前述の、ミックスナッツや、チーズなら10分程度の短い時間でスモークが完成し、普通の料理に近い感覚でできるので、初心者にもおすすめです。

温燻

60℃くらいの中温で、食材を燻製にする方法です。
高温にすると食材が固くなったり、しっとりした食感がなくなるような、イカ、タコ、あるいはロースハムなどに用います。殺菌の観点で60~70℃で食材に1時間くらいの熱を通しつつ、食感を損ねないやり方です。主にスモークウッドを使い、電気コンロなどで温度を上げて燻煙しますが、80℃くらいまで温度が上がりすぎると食材がパサつくので、温度コントロールが熱燻より難しくなり、かつ時間が長いので、初心者にはややハードルの高いやり方です。

冷燻

20℃以下の温度で、ゆっくりと煙をかける方法です。
冬場に仕込むスモークサーモンなどに使います。温度が上がりすぎると、食材が傷んだり、さらに温度があがるとサーモンは焼き鮭になってしまうので、20℃以上の温度にならないよう、コントロールする必要があり、ひとつのスモーカーでスモークウッドを焚いて、その煙をホースなどで別のスモーカーに熱が移らないよう、煙だけを誘導してやるなど、初心者にはとてもハードルの高いやり方です。

まとめ

燻製には3つの基本工程がある

  • 味付け
  • 乾燥
  • 燻煙

燻煙のやりかたには3つの方法がある

  • 熱燻
  • 温燻
  • 冷燻

初心者には、味付けや乾燥の不要なミックスナッツ、味付けのいらないチーズ、などの食材を、温度コントロールの楽な熱燻で燻製にするのがオススメです。

次回は、この熱燻のやりかたで、10分でできる簡単燻製の作り方をご紹介します。

 


About 燻製道士 15 Articles
日夜おいしい燻製のことに想いを馳せ、「燻製仙人」になるべく、簡単燻製作りの道を求道する士、すなわち「燻製道士」。 時折、おいしい燻製作りの“修行”と称し、燻製料理のあるバーやレストランに突入する。燻製とウイスキーやワインのマリアージュをこよなく愛する、しがない燻製男。 著書に、「男の手作り燻製」(世界文化社)、「手作り燻製ハンドブック」(世界文化社)、「燻製の基本」(枻出版)などがある。